皆さんが書店などで見かける本に、いくつか種類があるのはよくご存知かと思います。
この種類について、少し説明していきたいと思います。
本には大きな分類として、「上製本(じょうせいほん)」、「並製本(なみせいほん)」というものがあります。
上製本とは、簡単にいうと表紙が厚くて堅い本のことです。ハードカバーの本がこれにあたります。
そして並製本というのは、表紙が薄くて本文(ほんもん)と一体化しているようなシンプルな造りの本のことです。ペーパーバックや文庫本などがこれにあたります。
さらに上製本は、「丸背上製本」「角背上製本」という大きく二種類に分けることができます。
この二つにはそれぞれにメリットとデメリットがあり、基本的にそれらは相反する関係にあります。
丸背上製本のメリットは、
- 本の背や、のど(束ねた紙を綴じ付けている部分)部分に強度を出しやすく、本を開いた時の負担も軽減する
- 丸みがついている分、小口部分の型崩れがしづらい
丸背上製本のデメリットは、
- 作りが複雑になることで、製作に手間が掛かる=コストが上昇してしまう
ということが挙げられます。
また、角背上製本のメリットは、丸背上製本より作りがシンプルで、作業工程が少ない=コスト的には安く済むことが多い
角背上製本のデメリットは、本の背やのど部分の強度が若干下がり、何度も開け閉めすることで生じる小口部分の型崩れが目立ちやすい
ということが挙げられます。
特に製作のコストにおけるメリット、デメリットは、手作業で本を作る場合に大きく影響します。
実はこの丸背と角背の相反する関係というのは、もう少し視点を広げて考えると「上製本」と「並製本」のメリットとデメリットにもつながっており、丸背上製本と角背上製本の関係よりも差が顕著に出ることになります。
上島真一さんのYouTubeより
編集 鯨岡